はじめまして。今日から15emitのライターをさせて頂くことになったレイです。15emitの中では箸休めのような記事を書けたらいいなと思っています。一本目は、小倉百人一首から、恋のうたをいくつか紹介させて頂きます。
小倉百人一首とは
学生時代に国語や古典で習ったことがありませんか?子供のころはよく「坊主めくり」で遊んでいました。
小倉百人一首とは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が飛鳥時代の天智天皇から鎌倉時代の順徳院まで、100人の歌人の優れた和歌を一首ずつ選んだ秀歌撰である。(Wikipediaより:要約)
小倉百人一首には季節の情景を詠ったもの、人生について詠ったもの、様々ありますがやはり注目したいのは「恋のうた」です。
相手を想う
しのぶれど 色に出にけり わが恋は
ものや思ふと 人の問ふまで (平兼盛)
【訳】
私の恋の気持ちを、誰にも知られないように じっと包み隠してきましたが、とうとう顔色に出てしまったようです。「恋に悩んでいるのですか?」と、人が尋ねるほどに。
【一言】
両想いなんでしょうか、片思いなんでしょうか。どっちにせよ自分の気持ちを誰にも言わずに秘めていたはずなのに、友達には「最近スキな人できたんじゃない?」とか聞かれてしまう。それぐらいやっぱり顔には出てしまうんですよね。隠しているつもりなのは本人だけなんでしょうね。
君がため 惜しからざりし 命さへ
長くもがなと 思ひけるかな (藤原義孝)
【訳】
あなたのためにならこの命だって惜しくないと本気で思っていました。ですが、いざこうしてあなたに愛された今、私は死にたくない、出来るだけ長くあなたと一緒にいたいと思うようになりました。
【一言】
もう、本当に恋に落ちている真っ最中ですね。相手のために自分を捧げられるほど大きな愛と、それと同時に限りなく人間らしい「一緒に居たい」っていう願望を、とても素直に表現してある歌だと思いました。
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほうらめしき 朝ぼらけかな (藤原道信朝臣)
【訳】
夜が明けたとしても、日はやがて暮れてまた夜になりあなたに会うことが出来る。。。分かっているけれど、それでもあなたと別れなければならないこの夜明けがやはり恨めしく思えるのです。
【一言】
一緒に居られる時間が終わってしまう寂しさ。また会えるのも分かっているんですが、その短い間さえも離れていたくない。。。そんな子供っぽいワガママをそのまま歌にしてあって、こんな歌を大切な人に詠われたら嬉しいだろうなぁと思いました。
相手を憎む
あはれとも いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな (謙徳公)
【訳】
あなたに見捨てられたこの惨めな私を慰めてくれる人なんてどこにもいません。私はこのまま、あなたに恋い焦がれながら、むなしく死んでゆくのでしょうね。
【一言】
完全に嫌味ですね(笑)自分を捨てた相手に、罪悪感のひとつでも植えつけられればという。私は可哀想な人です、あなたは酷い人です。どんな別れ方をしたんでしょうか、色々話を聞いてみたくなりますね。
逢ふ事の 絶えてしなくは 中々に
人をも身をも 恨みざらまし (中納言朝忠)
【訳】
あなたと愛し合ってさえいなければ、会ってくれないあなたへのつれなさや、会ってもらえない我が身の辛さを恨まずに済んだのでしょうに。
【一言】
もう切ないの一言ですね。恋をしたことによって幸せも感じたけど傷つきもした。好きにならなかったらこんな思いになることもなかったのに!っていうのは、その恋が大恋愛だったからなんでしょうね。
やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて
かたぶくまでの 月を見しかな (赤染衛門)
【訳】
「今夜、あなたは来ない」ともし分かっていたら私だってためらわずに寝ていたのに、「あなたは来る、来ない・・・」そんなことを考えていたら夜も更けてしまい、もうこんな時間。もう月も沈んでいってしまいそう・・・。
【一言】
既読にならないLINEや鳴らないスマホ。色んなことを考えながらモヤモヤしながらいると、もう外は夜が明けてきた・・・そういう切なさや虚しさは今も昔も一緒ですね。
まとめ
今より娯楽に乏しかったはずのあの頃は、色恋事情は人生のほとんどを占めていたんでしょうね。もちろん歌の本意は作った本人にしかわかりません。ただ本などを読むと作者の恋愛事情なども詳細に残っていたりするのでそういう目線で見てみても面白いですね。訳者によって歌のニュアンスも若干変わってくると思います。この歌はこういう歌だ!と決めつけずに自分なりの解釈で覚えておいてもいいと思います。(古典のテストじゃない限り)
あなたの好きな歌がみつかりますように。

レイ

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