15emitライターの中でも他県出身ライターチームのあむ(山形)です。伊勢出身でない僕らだから気づける【伊勢の不思議】について僕ら目線で紹介していきたいと思います。まず、第一弾としては【しめ縄】です!
365日飾り続ける【しめ縄】
伊勢を初めて訪れた時、正月でもないのに玄関に【しめ縄】を飾ってあることに気づきました。「もう春なのに何でしめ縄が?」と思い聞いてみると、「伊勢では一年中ずっと飾るんだよ」と教えてくれ驚いた記憶があります。ホントに伊勢周辺だけの風習なんですね。よくよく観察するとほとんどのお宅やお店に飾ってあり、とても不思議でした。何故なんでしょうか?
「蘇民将来子孫家之門」?
年中飾ってあるだけでも不思議なのに更に不思議だったのが、門符に書かれたこの言葉です。最初は何て書いてあるのかさえ分かりませんでした。「千客萬来」や「笑門」、「商売繁盛」と書かれた門符はまだ意味が分かるのですが・・・。よくよく聞くと、これが色々謎を解くカギのようです。
蘇民将来子孫家之門とは・・・
「蘇民将来」とは「そみん しょうらい」と読むそうで、民話(神話)に出てくる人の名前らしいです。諸説あるみたいで、インターネットで調べてみてもサイトごとに若干内容が変わってきていますが大筋はみな同じです。
須佐之男命がこの地を通った時、暴風雨に遭って、一夜の宿を富める巨旦将来に頼んだが、断られた。そこで、その兄の蘇民将来の家に行った。蘇民は貧しかったが、情け深い人なので、須佐之男命を暖かく迎えた。
命は喜び、そのお礼に「悪病が襲うから、家の周りを茅垣で囲うように」と教えた。翌朝村人はみな死んでいた。命は立ち去る時、「悪疫が流行したら蘇民将来子孫家門と書いて門口にはるとよい」と言い残した。
以後この地方では、正月に門口に「蘇民将来子孫家門」の木札を注連縄で飾り、厄除けとするようになった。
という言い伝えを載せていますが、こうしたことからか、現在でも札に蘇民将来子孫と書いた注連縄を飾り、家の中に邪霊が入るのを防ぐ呪符の意味を持たせているようです。(引用:伊勢志摩きらり千選)

伊勢志摩きらり千選より
まとめ
一年を通して【しめ縄】を飾るのは、こういう理由からだったんですね。民話としてだけではなく、無病息災を願う慣わしとして現在もその風習が残っていることがとても凄いと感じました。
ちなみに実は色々調べていると、僕の地元山形にある【笹野観音】でも「蘇民将来之子孫也」と掘られた無病息災を祈る木彫りのお守りが売られているということを知りました!このように他県にも同じように「蘇民将来」にちなんだ風習はあるようですが、しめ縄に飾るのはこの地方限定らしく大変珍しいそうです。
みなさんの家の【しめ縄】はどうですか?僕の家は、「蘇民将来」の子孫の家でした!
おまけ:蘇民の森 松下社(二見)

松下社
伊勢市二見町の国道42号線沿いには、松下社というお社があり、蘇民の森として親しまれています。最近ではパワースポットとして若い人たちも沢山訪れているようです。また隣接して「民話の駅 蘇民」という道の駅があり、二見の新鮮な魚介や旬な野菜、手作りおこわなどおいしいものが盛り沢山で、地元の人にも人気があります。是非、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
位置情報
松下社
住所:三重県伊勢市二見町松下1346

あむ

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